ーーー斉藤 圭。
彼は、本当に、今まで会ったことがない異色のタイプの人間だ。
まず、ビジュアルが異様。
さらっさらヘアーで、目もとを完全に覆い隠すぱっつん前髪に、顎のラインで切り揃えられたおかっぱ頭。
そして、大きな黒縁めがね。
ワイシャツのボタンはきっちり一番上までとめて、学ランの詰め襟のホックまでばっちりとめている。
………つまり、変。
女子たちからは『キモ男』ともっぱらの評判だ。
そして、いつも白いイヤホンを首からぶら下げていて。
授業終わりのチャイムが鳴った瞬間、さっと耳にイヤホンを差し入れる。
そのまま、休み時間の間じゅう、なにかの音楽を聴きながら、よく分からない分厚い文庫本を読んでいるのだ。
勇敢なある男子が、音楽鑑賞中の斉藤くんに近づいて、イヤホンから漏れてくる音を聴いて。
ーーーなんか甘々な幼い女の子の声で歌われるアニソンらしきものが聞こえてきた気がする!!
と騒いだことで、男子の間では、斉藤くん=『アキバ系アニメオタク』、と断定された。
彼は、本当に、今まで会ったことがない異色のタイプの人間だ。
まず、ビジュアルが異様。
さらっさらヘアーで、目もとを完全に覆い隠すぱっつん前髪に、顎のラインで切り揃えられたおかっぱ頭。
そして、大きな黒縁めがね。
ワイシャツのボタンはきっちり一番上までとめて、学ランの詰め襟のホックまでばっちりとめている。
………つまり、変。
女子たちからは『キモ男』ともっぱらの評判だ。
そして、いつも白いイヤホンを首からぶら下げていて。
授業終わりのチャイムが鳴った瞬間、さっと耳にイヤホンを差し入れる。
そのまま、休み時間の間じゅう、なにかの音楽を聴きながら、よく分からない分厚い文庫本を読んでいるのだ。
勇敢なある男子が、音楽鑑賞中の斉藤くんに近づいて、イヤホンから漏れてくる音を聴いて。
ーーーなんか甘々な幼い女の子の声で歌われるアニソンらしきものが聞こえてきた気がする!!
と騒いだことで、男子の間では、斉藤くん=『アキバ系アニメオタク』、と断定された。