うぎゃぁ、なに、こいつ!!



そんな恥ずかしいこと、真顔で!!



斉藤くんて、そんなキャラだったわけ!?




んもー、詐欺だよっ!!





なんて奥深いやつなんだ………。






あたしがまだ驚愕していると、斉藤くんが遠慮がちに口を開いた。






「………で、あのー……返事は………」





「え? なんの話?」





「え、だから………あの」





「なになに、聞こえないって」





「えと……付き合ってくださいって」





「あ、それね。うんうん、そうしよ、そうしよ」





「えっ、そんな軽い………」





「てゆーかさ、そんなことよりさ。
斉藤くんの声量という大問題について、もっと議論しようよ」





「えっ、そんなことよりって………」






斉藤くんは、驚いたような顔をしているけど。




でも、あたしは正直、斉藤くんの気持ちよりも、斉藤くんの生態のほうが気になってしかたなかった。