あたしは、すぅっと息を吸い込む。





吸い込みながら、考える。






斉藤くんが、思わず喋ってしまうようなこと………



斉藤くんが驚きのあまり声を出してしまうようなこと………





さぁ、なんて言えば、斉藤くんは、あたしの言葉に返事をくれる?







あたしは一瞬、息をとめて、口を開いた。





自分が言おうとしている言葉がなんなのか、どんな意味を持つ言葉なのか、なんにも考えず、無意識のうちに。








「ねぇ、斉藤くん」






「……………」






「私の話、聞いてる?」






「……………」






「ねぇ」






「……………」






「斉藤くん」






「……………」












「好き」