あたしは両手で頬杖をつき、斉藤くんに視線を戻す。




まっすぐな視線があたしをとらえていた。




あたしは頭の中をひっかきまわして、なんとか話題を探し出す。






「………あたしね、いっつも不思議に思ってたんだけど」





ふるふる。





「手の薬指だけ折り曲げて、お辞儀させるのは何とかできるけどさ」





ふるふる。





「中指だけお辞儀させようとすると、薬指までついてきちゃうんだよね」





ふるふる。





「なんでだろーねぇ、中指と薬指ってどんな関係なんだろ?」






ふるふる。





「指関連でいくとさ、足の指にいたっては、単独で動かせるの親指だけなんだよね」





ふるふる。





「指って意外と不器用だよね」





ふるふる。







やっぱりだめだ。