みなみとゼンさんは悠に5時間は格闘していたことになる。


「お疲れ様でした、ゼンさん。本当にありがとうございます」


私はコーヒーを淹れ、ゼンさんの前に置く。


「いや、このくらいたいしたことない」


たいしたことあると思う。
5時間、みなみの大騒ぎに耐え、哺乳瓶からの授乳に成功させるなんて、根性あるのはゼンさんの方だよ。


「今日は三人でのんびり過ごしましょう」


「昼飯と夕飯は俺が作るか調達するから、おまえは今日も一日休んでろ。明日からはまた、みなみとふたりで休む暇もなくなる。今日のうちにしっかり休んでおけよ」


ありがたすぎるお言葉。


「でも、ゼンさん、少し寝たら?」


「いい。世の母の苦労が少しわかった。子どもを授かることっていうのは意義深いな」


ゼンさんにはとっても勉強になった一夜だったらしい。