美保子さんの気持ちが痛いほどわかる。
泣き止まないのは母親の責任。
誰も口にしないけど、外で泣けば、暗黙の了解のような視線を感じることはある。


「育児って憧れや理想通りにはいかないわね。自分がこんなにイライラ鬱々しちゃうとは思わなかったもの」


「ホントだよ。赤ちゃん抱いてるママって幸せそうに見えてたけど、ホントはこんなに大変だったんだね」


私たちは顔を見合わせふーっとため息。


「外に出られる旦那サンが羨ましいなぁ」


「ああ、私もよく思うわ、それ」


美保子さんと私は、妊娠中もママになっても、やっぱり同志だ。


私ひとりじゃない。


今はこの想いが私を支えている。