「寝ちゃったね」


私は社長のおなかにも毛布をかけた。
一応、別室にお布団も準備しているから、トイレか何かに起きたら移動してもらおう。


「佐波ぁ、こっち来い」


ゼンさんが食卓で頬杖をつき眠そうな顔をしている。
だいぶ飲んでたもんなぁ。


「ゼンさんも寝たら?」


「いーから、横に座れ」


私が横の椅子に座ると、ゼンさんの顔がずいっと近付く。
その勢いのまま、ゼンさんが私にキスをした。

お酒の匂いのするキスは一瞬で、すぐに離れていった唇を呆気にとられて見つめてしまう。


「佐波、好き」


ゼンさんが子どものようにニコッと笑った。


この人は~。
酔ってるからって無邪気に可愛くなってどうすんだ!

34歳男子が可愛さ売ってくるのはナシ!

あーもう、
私の心臓のバクバクいう音、聞こえてないでしょ!