聞きなれない言葉に首をかしげると「脳外科の略ね」と笑う。


「それじゃあ、頭のお勉強をするんだ……」

「頭良くしてと言われても無理だから」

「プッ」


言おうとしていたことを先越されて、思わす吹き出したけれど……。


「もしかして、私の、ため?」

「どうかな」


先輩は曖昧に笑ってごまかしたけど、そうかもしれない。
フェイスブラインドを解明できれば、もとに戻れるかもしれないのだから。


「ありが……とう」


手を止めてお礼を言うと、「そこ違ってるぞ」と笑われてしまった。


「私も、看護師に……なろう、かな」


思い切って口にすると、先輩も手を止めて私の顔を見つめる。


「なんでも、ない……」