メオがフォークを私に手渡して、
「食べる」
と言った。

「メオも日本語しゃべれるの?」

「少し」

メオが恥ずかしそうにはにかんだ。

「外国人来るところは、みんな英語、日本語勉強する」

ソムチャイが何でもないようなふうに言った。

こんな暑い国で、私ならクーラーがないだけで勉強する気がなくなっちゃうだろう。

それなのに、ソムサックもソムチャイ、そしてメオまで日本語をカタコトでもしゃべっているなんて・・・。

なんだか、タイにいると自分のダメさかげんばかり思い知らされる。