「日本語、なに? いとこ?」

「そう! いとこ! なーんだ、いとこかぁ。もう、最初から言ってよ」

「最初から言ってるよ」

ソムチャイが不思議そうな顔をするのを見て、自分のバカさ加減が身に染みる。

はぁ・・・、勝手に怒って私って・・・。

でもさ・・・、ソムチャイはお姉ちゃんの結婚する相手の弟なだけ。
それだけなのに、なんで私は嫉妬みたいな感じになってるの?

自分の感情がゆさぶられたことが、なんだかショック。

しばらくして、メオが両手に料理を運んでくる。
近くまで来ると、独特の香辛料の匂いが鼻腔に香った。

テーブルに料理を置くと、メオは私を見て微笑みかけてきた。

なんだ、かわいいじゃん。
現金なもので、私もにっこりと笑い返した。