正直、クーラーの効いているところで食べたかったけど、仕方ない。
ソムチャイにすすめられるまま、入り口近くの椅子に腰かけた。

エプロンをつけた私たちと同じ年くらいの女の子がメモ帳を片手にやってきて、ソムチャイとタイ語で楽しそうに話し出した。

顔を見ると、ううん・・・かわいい。
目が大きくて、スタイルもすごくいい。

あまりにふたりが楽しそうに話しているので、私はしばらく愛想笑いをしてふたりを交互に見ていたが、だんだんバカらしくなって足をぶらんぶらんさせた。

そんな私にふたりは気づかずに、最後に握手をすると彼女はニコニコしながら店の奥に消えていった。

彼女を笑顔で見送っていたソムチャイが、私に久しぶりに視線を戻した。

「彼女は、メオ、です」