やがて、また繁華街が現れた。
さっきとは違うビーチの名前が看板に書いてある。

そんな中の、1件の店でバイクはスピードを落として停まった。

バイクから降りると、メットを脱ぐ。

ソムチャイが見る前に、いそいで髪型を整えなきゃ。

手で前髪をなおしていると、
「ここ、タイ料理」
メットをはずしたソムチャイが私を見て微笑んだ。

「・・・食堂?」

その笑顔にみとれないように、視線を向けると、簡素なプラスチックのテーブルとイスが並んでいる。

6割方タイ人と思われる人でにぎわっていて、それなりにはやっているようだ。

自動ドアなどなく、小さな扇風機が回っているだけなので、外と同じくらい暑い。