ヘルメットをかぶって、おっかなびっくりバイクにまたがる。
またがる、っていうか、よじ登るかんじ。

太陽の光で、シートがびっくりするほど暑い。

メットをかぶったソムチャイが少し振り向いて、
「じゃあ、動くよ」
と、言うとエンジンをかけた。

「待って、待って。どこ持てばいいの?」

今動き出したら、振り落とされちゃうかも。

「僕の背中。つかまる」
当然、というふうに言うソムチャイ。

え?

背中・・・。

「つかまる」
聞こえてないと思ったのか、ソムチャイがくり返す。