こんな浅いとこでおぼれるなんて、ありえないし。

急に、笑いがこみあげてきて、私も大笑い。
ソムチャイも、本当におかしそうに笑い声をあげた。

ひとしきり笑うと、私たちはデッキチェアに戻った。
濡れた体も、少し横になっているだけであっという間に乾いてゆく。

「ランチ行こう」

素肌に、白い前開きのシャツをはおってソムチャイが言った。

黒い肌に白いシャツが似合っている。

胸が、また鼓動を早めてる。

・・・なに動揺してんのよ。

自分に言い聞かせるけれど、それを自覚することでいっそう顔が暑くなってきた。
気のせい気のせい。

「うん、お腹すいたねー」

元気よく答えるけど、なんだかソムチャイの顔を見られなかった。