ソムチャイは、しばらく私を見ていたが、
「・・・ッ、プハハハ」
と大笑いしだした。

「ちょっと、なによ~。人がおぼれたっていうのにさ」

体を離して、私はくちびるをとがらせて言う。

「アハハハ、ごめんごめん」

ソムチャイは、それでもお腹をかかえて笑っている。

「もう!」

「だって。ここ、足つくよ」

ソムチャイを見ると、たしかに普通に立って上半身を海水から出している。

「あ、ほんとだ」

言われてみると、私も普通に立ち上がれた。
そっか、遠浅だって言ってたんだ。