ぷかり、浮かびながら青空を見る。

同じ空の下、はじめて来た国、はじめて来た町。
そして、はじめて見る人たち。

顔を上げて、ソムチャイを見た。

同じように、笑顔で空を見ている。

青い空と、それよりも深い青色の海の中、ソムチャイだけが浮き上がっているかのよう。
音も聞こえなくなり、静けさの中、視線をはずせない。

時間が止まる。

「ん?」

ソムチャイが私を見て微笑んだ。

あわてて顔を戻したとたん、バランスを失って視界が水の中になった。

パニックになって、もがくほど顔が外に出ない。