「だって、だってぇ・・・。実羽ならわかってくれると思って・・・た・・・の。私、ソムサックとどうしても結婚したいの。したいの・・・」

ソムサックがすかさず立ち上がり、お姉ちゃんの肩を抱いた。

「実羽ちゃん、お願いします。僕たちは愛し合っているんです」

へぇ・・・。

愛し合ってる、なんて言えちゃうもんなんだな。
外国の人だからか、それとも、これが本当の愛だからなのか。

「ソムサック・・・私たち、いったいどう・・・なるの? ウグッ・・・」

「大丈夫だよ、果凛。こうなったら駆け落ちでもするしかないかも」

「そうね・・・。私たちは、誰にも祝福されないのよね。そういう運命なんだわ」

まるで舞台俳優のように、手に手をとりあうふたり。

そして、そのままふたりの視線が同時に私に向く。