ドンッ 

パラパラ


次々に打ちあがる花火。


ソムチャイ、あなたが教えてくれたんだね。


・・・ねぇ、今同じ花火を見ている?


私は海のそばから見上げているよ。


ソムチャイは空から。


一緒に花火を見る約束は、こんな形で叶ったんだね。



ひときわ大きな花火のあと、火薬の匂いが漂う。


海は夜に染まり、

そしてもう、花火はあがらない。



私は声をあげていつまでも、ソムチャイを想って泣いた。