「死ぬの怖くない。だけど、実羽」

私を見つめる。

「ずっとそばにいる約束、守れない」

「・・・」

「それが悲しい。ほんと、ごめん」

そう言うと、ソムチャイが体を起こそうと動いた。

「ダメだよ、横になってなきゃ・・・」

差し伸べる手を、ソムチャイが押しとどめた。

「今日は、すごく体、いいよ」

「でも、でもっ」

オロオロとする私に、
「最後、実羽を抱きしめる。それ、夢だと思った。だけど、夢ちがった」
そう言って、苦しそうに顔をしかめながら笑った。

ベッドに腰かけたソムチャイが、そのまま私を抱きしめる。