「・・・ソムチャイ?」

カーテンがクーラーの風でゆらめいている。

「ソムチャイ」

もう一度声をかける。

「・・・実羽」

その声に、息がすえなくなる。

カーテンを開けると、そこにソムチャイがいた。

笑顔を作らなきゃいけないのに、こわばっているのは顔だけじゃない。
体全部が動かない。

ベッドの上に寝ているソムチャイが、私に微笑む。

・・・少しやせたな。

振り向くと、お姉ちゃんとソムサックが入り口で立ち止っている。
悲しい顔で、私にうなずいた。