・・・どんな顔でソムチャイに会えばいいの?

「よく来てくれたね」

やさしい口調のソムサックも、言葉少なげにスーツケースを持つと車に案内してくれた。

白いワゴン車の後ろの扉が開く。

そこには、お姉ちゃんが座っていた。

「お姉ちゃん・・・」

「・・・実羽」

車が静かに走り出す。


クーラーの効いた車内で、ラジオから音楽が小さく聞こえた。
ソムサックも、お姉ちゃんも黙っている。

やっぱり、ソムチャイとのこと知ってるんだな・・・。