「マイペンライ」

「もう、なんでもマイペンライですますんだから」

くちびるをとがらせて言うと、
「マイペンライ」
もう一度、ソムチャイは繰り返した。

そして、私を見つめて言う。

「これから、苦しい、悲しい、あっても、ふたりの気持ちが大事。大好きだから、どんなことあってもマイペンライね。離れてもいつもそばにいる」

「ふふ、なんか呪文みたい。マイペンライ、ね」

ようやく笑みがこぼれる。

ああ、よかった。最後に笑えて。

「ありがとう、ソムチャイ。また会おうね」


ソムチャイに抱きつくと私はそう笑って言った。