「い、いいかげんにしたまえ! くだらない話にもほどがある。僕は失礼するよ」

投げ捨てるように言って出口に向かう渡辺社長。

その前にソムサックが立ちはだかる。

「ソムサック君、どくんだ。こんな話につきあうほど僕はヒマじゃない」

「・・・しろ」

「え?」

「説明・・・しろ」

顔を上げたソムサックの顔。
それは見たこともないほど激しい怒りに満ちた顔だった。

「なっ・・・」

「実羽ちゃんを監禁してないなら、それを説明しろ!」

そう言うと、渡辺社長の胸ぐらをつかんだ。