「・・・ああ」

お姉ちゃんが急につぶやいた。

「実羽、それでさっき私に調べろ、って?」

うなずいてお姉ちゃんを見た私は、
「ウアンの不動産の数、それをさっき調べてもらいました。彼は不動産王と呼ばれているそうですね。ま、女の子を売ったりして稼いだお金を不動産に変えていたんだろうけど、その数は200もあったんですよ」
と指で数字の2を作ってみせた。

「へぇ、そんなにあるんかいな」

由衣さんが間の抜けた声をあげた。

「だからなんなんだって言うんだ?」

もう渡辺社長の顔からは余裕は消え失せ、イライラ口調を隠そうともしていない