お姉ちゃんも、そちらを向いて目を見開いた。

「な・・・」

皆の視線を感じ、声を出したのは・・・由衣さんだった。

「なんで? なんでウチやねん!? ウチやないで」

「由衣さんの香水と同じ匂いだったってこと?」

ソムサックが尋ねるのを、黙ってうなずいて返す。

「ウチやないって! 実羽ちゃんと別れたあと、ウチはそのままツアーに行ったんや。ウソちゃうで。聞いてみいや!」

必死で首をふって否定する由衣さん。

「うん、由衣さんじゃないよ」

私の言葉に、由衣さんがほっとしたように力を抜いた。