「でも、見つからないよ」

悲しそうな顔をしてみせた頬を指でつっついた。

距離を気にしなくていいって、なんて幸せ。

「それで?」

「渡辺社長言った。ウアン、不動産屋。持ってる物件調べる」

「ああ、なるほど! ウアンの持ってる家とかを調べて、それで見つけてくれたんだね!」

そっかそっか、渡辺社長には感謝しないと。


「ソムチャイ、ほんとありがとう。私、もうダメだって思ってた」

「マイペンライ」

ソムチャイがおでこにキスしてくれた。