ウアンはぼんやりとしている。

「救急車! ねぇ、救急車を!」

そう言うが、がっくりとうなだれて反応しない。

とにかく止血しないと!
私はとっさにシャツを脱ぎ捨てると、腹部にあてて上から両手で押さえた。

「誰か・・・誰かっ」

手がすぐに真っ赤に染まった。

「だめ、止まらない。血が止まらないっ」

「実羽?」

青い顔のアイスが薄目を開けて私を見た。

「しっかりして、アイス! ねぇ、しっかりして」

「女の子、ひどいこと・・・した。だから、もういいよ・・・」