「良かった」

私も笑った。

「実羽、ヘン、日本人」

「なにそれ。アイスだって、ヘン、タイ人」

「変態ちがうよ」

ふくれた顔をしてみせるアイスは、それでもすごく美しく見えた。

「ヘンなタイ人」
言いなおすと、
「ああ~」
と納得したような顔をした。

「それもちがうよ」
意味に気づいて笑うアイス。

全身でため息をついたアイスは、そのまま私を見る。