私はうなずくと、首からそれをかけて、同じように握ってみた。

「うん、迷ったらやってみるね」


本当はね、今、抱きしめたい気持ちと戦っているんだよ。


やさしいソムチャイの気持ちが、私をどんどん好きにさせてゆく。
踊り出したいくらいうれしいのに、こんなにも切ない。

ソムチャイに気持ちを伝え・・・ううん、だめだ。
そんなことしたらお互いに苦しいから。

「日本、どんなとこ?」

ふと、ソムチャイが尋ねた。

「えとね。じゃあ、どんなイメージ?」

逆に聞いてみた。

ソムチャイは笑みを浮かべると、遠くを見るような目をした。