私はドアを出て、ロビーへ顔を出した。

アルバイトらしい女の子が、
「Hello」
と挨拶してくれた。

「あの、えっと。ソムチャイ?」

なんて言っていいのかわからずにそう言うと、彼女は困ったような顔をして、
「He is sick」
と告げた。

それくらいの英語なら私にもわかる。

「病気なの? ソムチャイはどこに・・・えっと、Where?」

彼女は、ああ、というふうにうなずいて、指で天井を指した。

「rooftop」

「ルフト? ごめんわからない」