そう、私はこのホテルが好き。

そこにはソムサックやお姉ちゃんがいつも笑っていて、そして、そこにソムチャイがいるから・・・。

「宝石って名前のホテルだよ。手放すのは簡単だけど、今回の理由は納得できない。このホテルを愛するお客としては、黙っていられなかったの。心配かけたのはごめん、ごめんね」

「そっ、そんなこと思ってくれてたの?実羽・・・ウウ」

単純なもので、もうお姉ちゃんはうれし泣きに変わっているようだ。


でも、そんなお姉ちゃんが私は大好き。


「実羽ちゃん。しばらく気をつけたほうがいい」

ソムサックが両肘をついた手にあごを乗せてそう言った。

「それ、僕も思う」

同意するソムチャイ。