「でも」

ソムサックが私を見た。

「実羽ちゃんはすごいね。やり方は確かに果凛の言うように感心できないけれど、僕たちを助けてくれたんだから」

「ソムサック! そんな褒めないでよ。なにもなかったから良かったようなものだけど、もし相手の人がピストルでも持ってたら大変だったじゃないの!」

叫んだお姉ちゃんが、また自分の想像で号泣し出す。

「お姉ちゃん、聞いて。私、後悔してないの」

「まっ・・・」

「私、みんなの役にたちたかったの。それはメオのためでもあるし、お姉ちゃんのためでもある。でもね、一番はこのホテルのため。私、ここが好きなの」

「実羽・・・」