「実羽、君はなんてことを!」

ソムチャイが天を仰ぐように両手を広げて言うのを、メオが止める。

そして、メオが、
「実羽!」
と叫んで私に抱きついてきた。

「うまくいった?」

「実羽、サンキュー。サンキュー!」

メオは泣いていた。泣きじゃくりながら、私を強く抱きしめた。


ソムチャイが、腕を組んで私を見る。

「もう、普通の金額しかとらない、彼言った。店でこういうこともやめる、言った」

少しだけ微笑んで、そう言った。