再生を押すと、その画面をチェックする。
その間に、部下の男がウアンに駆け寄った。

思ったより鮮明に映っている。

あわててズボンを履いているウアンにそれを見せると、その顔は一瞬で真っ赤になった。

大きな声をあげて携帯をつかみとろうとするのを避けて、私はソムチャイのもとにかけよる。

「実羽?」

状況がわからないメオもそばに来たので、再生画面を見せた。

いぶかしそうなふたりの表情がすぐに、“信じられない”といった顔に変化。

「ソムチャイ、ウアンに言ってくれる? 『通常通りの金額を毎月返す』って」

「え?」

「いいから。言ってみて」

床に落ちたシャツをメオのお母さんが拾ってくれたので笑顔で、
「サンキュー」
とお礼を言った。