「実羽、笑う、ひどい」

ソムチャイの言葉にさらに追い打ちをかけられて笑い転げる。

笑っちゃダメだと思うほどに、どんどんこみあげてくる。

「笑う、ダメ。落ち着く」

その言葉が耳に届いた時、ふわっと小さな風を感じたと思ったら、もう私の体はソムチャイの腕の中にいた。


ソムチャイが私を抱きしめている。


いや、抱きしめているというか、あまりに私が笑うので止めようとしているだけ。

でも、でも・・・。

ソムチャイの体温が体に伝わって、一瞬で笑いは止まる。

「落ち着いたね」

ソムチャイはまだ腕の力をゆるめずに耳元で言う。