「ウアン?」

「ウアンは、この間の太った男。あいつボス」

「そう・・・。あの、さ・・・」

お姉ちゃんから聞いたことを言ってもいいのかな。

どうしよう。

「なに?」

「あのね・・・。ホテル、保証人」

私の言葉に、ソムチャイは肩をすくめる。

「ああ。そう、ホテル売れば借金返せる」
思ったよりもサラッとソムチャイは言うからびっくりした。

「でも、ホテルがなくなったら困るでしょう」

「なんで?」

ソムチャイはもう笑顔だった。

逆に不思議そうに私を見てくる。