ベンチに座って、私たちは休憩をすることに。

すぐ下に海があり、ここが海岸線に位置していたことがわかった。

「気持ちいいね」

おだやかな風が、暑さをやわらげてくれている。

「うん」

斜め上に顔を向けて、目を閉じたソムチャイは気持ちよさそう。

「実羽。ここ、好きか?」

「うん。すごく好き」

「そうか。良かった」

しばらく黙って私たちは風に吹かれる。

人を好きになるって、すごいんだね。

沈黙すら愛おしい。

ソムチャイと、同じ時間をこうして過ごしているだけで、すばらしい思い出が刻まれていくよう。