「ああ、なんかわかる」

お姉ちゃんは、泣き虫で頼りなさげに見えて、いつもすごい行動力をみせるから。
実際、日本にいなくなってからその存在をずいぶん思い出したものだった。

お姉ちゃんを守っているつもりが、ほんとは逆だったんだよね。

私がお姉ちゃんに守ってもらってたんだ。

「実羽ちゃんは、どんな性格なの?」

店を出て歩き始めた由衣さんが、私をのぞき込むようにして尋ねた。

「私は・・・真逆かな。強そうに見えて、全然しっかりしてないし。お姉ちゃんみたいに夢もないし」

「その年頃ならそんなもんやないの? うちも、なんにも夢なんてなかったし」

「それだけならいいんですけど・・・」