「お姉ちゃん・・・、知ってるんだね」

「・・・うん」

立ち上がって窓辺にもたれてこっちを向いたお姉ちゃんが言った。

「メオのご家族からも何度か相談されてたから・・・。あ、私じゃなくて彼がね」

「いったいどういうことなの?」

「ううん・・・」

お姉ちゃんが、話すべきかどうか迷っているのはわかった。
余計なことを私に言っても仕方ないし。

そう、私はこの島ではただの旅行者だから。

ずっと住んでいるみんなからすれば、すぐに去る人だもん。

でも、メオが泣いていた。
ソムチャイが怒っていた。

その原因を知りたい、って思った。