「これって・・・」

手紙なんかじゃない・・・。

遺書って書いてあるし。

ノートを持つ手に力が入っていた。


友利子は両手を合わせてうれしそう。
「守からの手紙。ほら、死んでないでしょう?一周忌なんて必要なかったのよ。あの子、死んでなんかないの」

「・・・こいつ、やべーよ。おい、帰ろうぜ」
そう言って健治が部屋から去ろうとするのを、友利子は引き止める。
「あら、あなた。この手紙の文字数知ってるのかしら?」

「なっ・・・・・・」
驚いた顔をして健治が振り返る。

「444文字」

「・・・んだと」
健治の顔に恐怖が映るのを確認すると、友利子は、
「キャハハハ」
と、少女のような声を出して爆笑した。