「いいかげんにしろよ、このババア!」
健治が突然立ち上がると、止める間もなく友利子の頬を殴った。

あやつり人形の糸が切れたかのように、友利子は畳に転がる。

「榊原君っ!」

とっさにふたりの間に立つ。

「どけっ!こいつ、ぶっ殺してやる」
健治の目は怒りに燃えている。

ファイティングポーズで私を押しのけようとする。

「だめ!そんなことしてもなにもならない!」

もみあっているうちに、足が滑って健治もろとも倒れこんだ。


「・・・ふふふ」

笑い声に振り向くと、友利子はまだ笑っていた。