「頭、おかしいんじゃねぇの?」
勢いに気圧された健治が、吐き捨てるように言った。

友利子はなにやらブツブツと繰り返していたが、やがて私を見ると抑揚のない声で言った。
「・・・今ね、守は出かけているの」

「・・・」

「やっぱおかしいわ、こいつ」
健治がこれ見よがしに言うが、強がっているようにしか聞こえなかった。

健治の言葉が聞こえていないように、友利子は口元だけで笑ったり無表情になったりしている。

「友利子さん、聞いてください。今日、私たちのクラスメイトと担任の先生が死にました」

その声に、友利子は少し目を見開いた。