「今から、守の家に行ってくる」
思考は、健治の声に中断された。

「なんで?」

「母親なら何か知ってるかもしれねーだろ。案外、守の恨みを晴らしているのは、母親かもしれねぇ。だとしたら、俺は許さない」
なにかをにらみつけるように、声を低くして健治がこぶしを握りしめた。

・・・友利子が事件に関係している?

でも、あの狂人めいた雰囲気は、それを納得させるものがある。

「私も行く」
そう言って私はうなずいた。

「お前は来んな。家に帰れ。親が心配すんぞ」
そう言って大股で歩き出す建治。