そうでもしていないと、体の震えは止まらないし、今にも発狂しそう。


「・・・なんで、僕ばっかり・・・・・・」

くやしくて涙があふれた。

嗚咽がもれないように我慢するのも、いっそう情けなさを痛感させるんだ。


しばらくすると、廊下からの声は聞こえなくなった。


・・・でも、どこかで隠れているかもしれない。


臆病な僕は、きっとしばらくここにいることになる。


「なんか、もう疲れた・・・・・・」


ふと、窓からの景色が目に入る。

オレンジの光は、夜の闇を水平線にまとう。

昔の人は『夕暮れと夜の間には、悪魔がいる』と信じていたらしい。