ガクガクと震えながら、和田は口を手で押さえながら走り出した。

そうしないと、悲鳴が漏れそうだった。

「どうして・・・ねぇ、どうして・・・」

右も左も分からないまま、和田は廊下を走った。

誰もいない。

長い廊下があるだけで、誰の姿もそこにはなかった。


「誰か・・・誰かっ」

どんどん暗くなってゆく廊下。

表示を見ると、なぜか『B2』となっている。

地下の2階?

・・・いつの間に来てしまったのだろう?