・・・この声を、私は知ってる・・・・・・。

ひょっとして・・・・・・。


『・・・もる。僕・・・守だよ・・・』

その声を聞いた和田は、とっさに受話器のフックを指で押して電話を切った。

「なに・・・なんなの・・・・・・」

指を戻して、受話器を置こうとしたとき、切れたはずの電話から、
『・・・先生、僕・・・守だよ』
と聞こえ、和田は悲鳴をあげて受話器を投げ捨てた。

ガシャンッ

すごい音をたて、受話器が壁にあたり揺れる。


恐怖が体を襲う。