受話器の向こうからは、雑音が聞こえるだけだった。

「もしもし?」

耳を澄ませて何度か問いかけるが、返事がない。

『ザザ・・・ザザザ・・・・・せい・・・せんせ・・・い・・・』

「あ、もしもし?すみません、なんか混線してるみたいで聞き取れないです。かけ直しますね」
そう和田が言った時、急に雑音がとれ音がクリアになった。

「もしもし?」

『先生・・・?』

教師にしては幼い声が聞こえる。

あまりにも出ないから、職員室にいた生徒が出たのだろうか?