ふと、廊下の端に公衆電話があるのを見つけた和田は、急ぎ足でそこに向かって進んだ。

財布から100円玉を出すと、携帯の電話帳を開く。

「ええと・・・学校、学校・・・」

学校の番号を検索し、公衆電話の受話器を取りお金を入れる。

番号をひとつずつ口に出しながら、押してゆく。

「3の、えっと・・・0444」

最後の数字を押して気づく。


「444・・・」

これって、さっきあの子が言ってた数字・・・。


それでも、和田にとって桜の話は、信じるには程遠いものだった。

「まさかね」

受話器を耳にあてると、呼び出し音が鳴る。