「さっきここに逃げ込むの見ちゃったんだよな~」

「おい、さっさと開けろよ。弱虫くーん」

数人の男子生徒の声が聞こえる。


顔を見なくても、誰なのかは分かる。

こぼれそうな悲鳴を必死でおさえて、僕はその場にうずくまった。

鍵をかけていても、今にも踏み込んでくるような恐怖。

それは、足元から這い上がり、僕を支配する。


「おい、お前。調子のんなよ!まだお仕置きが終わってないだろーが」

「痛い目にあいたいのかよ!」

さらに強く扉が叩かれ、反動でガタガタ音を立てる。


僕は、目をつぶる。