しかし、医者は首を横に振り、
「いえ、可能性がある限り、警察を呼ぶ義務があります。申し訳ありませんが、学校に連絡をしてください」
と、冷淡に言い放った。

「・・・どうしたの?」
涙を拭きながら、亜矢音が和田を見た。

「どういうことだよ」
健治も和田を問い詰める。


・・・こいつらも一緒。校長やPTAみたいに私を責めたてるんだ。


「あ、あなたたちは家に帰りなさい」

「は?んなことできるかよ!弘樹が・・・弘樹が死んだんだぞ!」
今にもつかみかかりそうに健治が近づく。